別に毎年やってるわけじゃないのに、急に2012年に萌えたり燃えたりしたものを振り返りたくなりました。

振り返ってみたら少女アニメとかドラマとかアイドルとか今年の自分的ヒットが乙女系の話題ばっかりだったので、『マイベストヒット乙女ニュース』と題してお送りします~(・д・)~


①アニメ:『戦姫絶唱シンフォギア』

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(2012/03/28)
水樹奈々、高山みなみ 他

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これ、今年の初めだったんですね。
もっと前かと思ったら…。1年って長いような短いような。

このアニメについては、放映終了直後にここで1度書いているんですが(→『戦姫絶唱シンフォギア』―私たちは魔法少女のために何ができるのか?)、2011年に『魔法少女まどか☆マギカ』が提起した、「魔法少女は搾取されている」という大きな問題に、まどマギ以上の誠実さと真摯さで向き合おうとした力作だったと思います。

まどマギで、ソウルジェムが濁って魔女化するということにとても共感を覚えていた私としては、最後にまどかが取った解決策に対して、「なんでだよ!魔女化させてくれよまどか!」という思いでいっぱいになったのですがw、
そこへ来てシンフォギアの未来という「良い魔女」の登場と、誰か1人が犠牲になるよりも、コミュニケーションに信頼を置き、話し合い、人と向き合い解決していこうとする姿勢には、とても救われるものがありました。

どうやら第二期の制作も進んでいるとのことで、本当にすっごく楽しみにしています。



②映画:『プリキュアオールスターズNew Stageみらいのともだち』

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(2012/07/18)
福圓美里、田野アサミ 他

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プリキュアの真骨頂は、やはりオールスターズだと思います。

とうとうプリキュアも総勢28人…とおもいきや、29人でしたよ!というびっくり展開。
「女の子は、誰でもプリキュアになれる!!」
というコピーは伊達じゃなかった。

オールスターズにおいて「別々の町で同時代的にたくさんのプリキュアが存在している」という設定が明らかにされたことにより、「プリキュアって特別な女の子じゃなくて、誰にでもプリキュアになれる瞬間があるのかもしれないな…」と思ったりしていたのですが、それをここまで直に表現してくれるとは思いませんでした。
普通の女の子の、「ある日ある時プリキュアになれる瞬間」に、映画館でマジ泣きしましたw

来たる3月のオールスターズNS2も楽しみです。



③セーラームーン20周年&新作アニメ制作発表

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(2009/12/11)
セーラームーン

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あああDVDコレクション全部ほしいいいいい

現在ある少女アニメや女性アイドルは、みんなセーラームーンの影響を受けているといっても過言ではないと思います。
ていうか、セーラームーン以前と以後で、女の子たちの生きる世界が変わったと言っても過言ではないでしょう。

そういえば私、幼いころ兄と一緒にセーラームーンのアニメを夢中になって見ていた記憶があるんですよね。
続編のRが放送するというお知らせに、きょうだいで歓声を上げたことを覚えています。
きっと、シスヘテロ男子でも夢中になって見ていた人はいっぱいいると思うんだよね。
なんかこの20周年&新作アニメを機に、眠っていたセーラームーン男子たちの熱い魂が目覚めてくれることを願ってやみません。



④ドラマ:『セーラー服反逆同盟』

セーラー服反逆同盟 DVD-BOXセーラー服反逆同盟 DVD-BOX
(2005/05/25)
中山美穂、仙道敦子 他

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これもBOXほしいなあ。お金もないけど置く場所すらないよ!

もともとは1986年に放送したテレビドラマらしいですが、今年TOKYO-MXにて再放送が始まりました。
もう最近はこれと『アイカツ!』が一週間の生きる糧です。

学園の悪に立ち向かい戦う女子高生ユミ・ルリ・ケイの、「セーラー服反逆同盟」。
悪の理事長の娘でありながら、影から反逆同盟を助太刀するミホと、そのことを一人だけ知っているユミの密かな友情。
唯一男子の仲間である雄太は弱いので戦闘要員ではなく、情報収集・サポート役…まるでプリキュアでのマスコットキャラの役回り。

なんという信頼のおける設定なんでしょう。
もうすぐミホさんも反逆同盟の仲間に加わるようで、ドキドキです。



⑤音楽:BiS『IDOL is DEAD』

IDOL is DEAD  (ALBUM+DVD) (映画盤)IDOL is DEAD (ALBUM+DVD) (映画盤)
(2012/10/24)
BiS

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3人だけでスタートを切った2012年。
やりすぎたドッキリでファンが大荒れしたり、新メンバーのわっきーとみっちぇるが加入し、5人になってavexからメジャーデビュー、24時間イベント、内部抗争、赤坂BLITZワンマンでの大団円と、今年もとても一年のうちに起こったとは思えない激動の展開を見せてくれたBiS。

しかし、素晴らしい2ndアルバムをリリースしてくれた、それでもう万事オッケーです。
と、年末の今ならばそう思えます。

やっぱりBiSさんには、反体制アイドルとして、何か大きいものと戦っていて欲しいですね。
僕らのヒーローなんですよ。
そして、みんなのヒーローとして戦っていてくれる存在でありながら、あくまで「普通の女の子」であるっていうことが本当に素晴らしいんです。それが如実に表れているのがこのPVだと思います。



「アイドル」を名乗っているから、才能や実力を売りにしている「アーティスト」ではないから、こういう表現をすると「過激」と言われますが、なんか椎名林檎ちゃんとかがこういう表現やったとしても、ふつうにかっこよくて、「えっこんなことしちゃっていいの?」とか言われないじゃないですか。
ある程度力を認められた女でしか、こういう強くて女の子っぽくない表現はしちゃいけないことになってる。
そういうとこに、非力な女の子のままで切り込んでいく感じが、たまらないんです。

って、今この瞬間に、実はリーダーのプー・ルイさんが24時間100キロマラソンに挑戦しています。
最初に10月にチャレンジした時は、企画のためにアイドルが無茶するのはあんまり好きじゃないなあ、と思ったんだけど、今回はその時達成できなかったリベンジをしたいとプーちゃんが自ら言い出しました。
なんかー、わかるよ。
どうせアイドルには無理だとか、女の子には無理だとか、BiSには無理だとか、そういうことで終わりたくない感じ。
そういう負けず嫌いは、多少無茶でも、もしそれが間違ってたとしても、応援したくなっちゃいます。
現在公開インタビューで下ネタをいっぱいしゃべって元気が出てきたみたいですw

来年もきっと君たちが私の最高のヒーローだ、と思っていますよ!



⑥アニメ:『アイカツ!』

アイカツ! 1 [DVD]アイカツ! 1 [DVD]
(2013/03/02)
諸星すみれ、田所あずさ 他

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上記のBiSような、普通の女の子でありながら誰よりもかっこいいヒーローで、意地を見せつけてくれる根性座ったアイドルの姿をしっかり描いてくれるアイドルアニメがとうとう登場しましたよ。

しかもデータカードダスの設定を生かした衣装チェンジやパフォーマンスシーンがどんどん素晴らしくなってます。

衣装にブランド設定があるところが、乙女ゴコロくすぐる通り越してもはや砲撃です。
今のところ4つのブランドが出てきていて、甘ロリ系、アナスイっぽい大人系、ガーリーテイストを加えたテクノ系、ポップな原宿系カジュアル、と豊富なジャンルを取り揃えていて、これなかなかスゴイです。
これに夢中になった女児たちが、もれなく服好きに育ってしまいそうな、おそろしい番組・ゲームです。

そして、これ、どこまでも「女の世界」なんですよ。
脇役で男性も出てくるんだけれど、絶妙に女の子の世界を邪魔しない距離感を保っていて、そのラインの引き方の鮮やかさたるや、もう芸術的です。
アイドルたちはもちろんのこと、彼女たちが通うスターライト学園の学園長も女、衣装のデザイナーも今まで出てきてる2人中2人が女。頑張るのも女、憧れるのも女。

でー、今、冬休み期間限定一挙配信中ですよ!
http://www.aikatsu.net/haishin/index.html

これ、みんな、見なさい!


つーことで、一年の煩悩を吐き出して満足したので、良い年の瀬が迎えられそうです。
皆様もアイカツ見ながら良いお年を!
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12・16後、みなさんいかがお過ごしでしょうか
私はとりあえず戦地で死ぬ想像は済ませました。

そんな折、ふと読み返したのが市川ジュン『陽の末裔』です


陽の末裔 1 (YOU漫画文庫)陽の末裔 1 (YOU漫画文庫)
(1996/04/23)
市川 ジュン

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東北の農村から出て12、13歳で紡績工場の女工となった卯乃と咲久子。
女工の過酷な労働環境に「黙っていられない」という思いから立ち上がり、新聞記者となって女性解放運動の道をゆく卯乃と、「女」を武器に、美しさと魅力で華族としてのし上がる咲久子。

大正デモクラシーから関東大震災、普通選挙と社会主義弾圧、そして戦争…。日本がたどった歴史と、その中で生きた女性の姿。
性格も生き方もまったく違う2人だが、どんな運命にも自分自身を貶められることのない誇り高さは、共通している。そして何があっても揺るがない2人の友情。


改めていま読んでみて、この作品の時代に起こっていること、語られていることが、なんと今の時代によく似ているのだろう、と驚きました。
言論弾圧から始まり、国政の中で軍の力が強くなり、戦争へ向かう。
大きな地震。
普選の実施にともなう、「誰もが生まれつき持っているべき権利」なのか「義務遂行とひきかえに与えられる権利」なのかという議論は、現在の、憲法改正や生活保護に関する話題にも共通している。
そして、原子力の脅威。

ああ、こういう時代を、かつての日本の人々はすでに生き抜いたのではないか、と思いました。
物語は、戦後まもなく婦人参政権を獲得する卯乃と、財閥解体によってすべての財産を失いまったく新しい道へ歩みだす咲久子を描いて終わっている。
そしてこう締められている――

――何も
終わったわけではない

ひとりびとりの人生も
女性たちの解放も
日本の歩む道程も

すべては また 始まる

いい尽くせぬ思いを抱えながら
時代は常に未完成であった


まだまだ絶望してはいけないと思いました
この時代を生きた女性たちに恥じぬように。


しかしこの漫画、社会運動やフェミニズム的なエンパワーの要素もいいんだけれど、キャラクターもめちゃくちゃ良いです(>_<)
とくに主人公の2人は素晴らしい。

私はやっぱり、女王・咲久子のファンです。
常に言葉の終わりまではっきりと言い切るような物言いが素敵で、上手い役者さんにせりふを言ってほしくなります。
一夜を共にした男でも「呼び捨てにしないで」と張り飛ばし、「貴婦人としての誇り」よりも「咲久子としての誇り」が大事だと断言する。

だけど、彼女はたったひとりの親友・卯乃をのぞいて友達を作ることはできなかった。女性同士協力し合うことができず、つねに競争し、相手をねじ伏せ、上に立つやり方しかない。
まあ、華族社会で夫のオマケの花になって満足している「貴婦人」という人たちなんてねじ伏せて、男にも女にも誰にも汚されない誇りを持つ自分が頂点に立ってやる、というのが、咲久子らしい志の示し方なのでしょう。

卯乃はその点、仲間を作っていくところが良い。
たった一人自分の道を切り開く戦いをする咲久子に対して、卯乃は仲間とともに歴史を切り開く戦いをしていく。
地味に見えて実は咲久子より大きなことに挑んでいるというのが面白い。

卯乃が作った「女たちの会」は主義思想を超えて女性の問題でつながり共闘する会。
フェミニズムって主義思想じゃないの?と思ったんだけれど、私自身、保守と自ら名乗る女性でも、職場の不満を聞くともうかなりフェミそのものなことを言っていたりするのを知っているので、この感覚はやはりたしかに、主義思想とかいうレベルのものではないんだ、と感じます。

しかし卯乃ほど先進的な女性でも、男に対しては家で食事を作って待っているのが当たり前になっててぐぬぬっとなる。(最終的に夫になる人とはまた違うんだけど…)
男性との関わり方においては圧倒的に咲久子の方が誇り高いよね。
咲久子は、ある2人の男性に対しては、「友情」を求めるような感じもあったなあ。でも咲久子自身もそれを「友情」という言葉で呼ぼうとはしなかったし、その時代に男女の友情なんて概念はなかったんだろう。
その2人の男性も最終的には咲久子を女として扱ってしまう。
男女の友情という言葉すらなかったことは幸だったか不幸だったか。

どちらの良いところも兼ね備えた主人公だと、完璧すぎて近寄りがたい人物になってしまう。
それを2人に分けて、正反対のようで実はとても魂の近い女性を描いた市川ジュンの上手さ。
相容れないように見える女性たちも、じつは女として同じ問題に立ち向かっているのではないか?という問いかけでもあるのかもしれない。
先日の日記で「ひらり、」最新号に掲載されている紺野キタの『少年』という作品の素晴らしさについて語ってたんですが、もうちょっと「少年」ということにフォーカスして語りたいなあ、と

というのはやっぱり、少女が少女に恋をした時に、その気持ちを「自分の中に生まれた少年のもの」だと考える、そこに異性愛規範の内包があることは、否めないんですよね。

私は、規範を内包してしまうことは、多くの場合は本人の責任はかなり少ないのでは、と思っています。
それは間違っている、とは思うけれど、間違ったことを言う人がみんなダメだとは思わないっていうか。
環境要因ならば、新たな世界が開けることによって変わってくこともあるんじゃないかと。自分自身そうやって変わりながら生きてきたのですし。

だから、規範を内包しつつも自分の中に生まれた思いを守るために「少年」を作り出した彼女が、狭い世界の中で生きる方法を見つけようと頑張っているようで、なんだかとても愛おしかった。

と、同時に、人間が長い時間をかけて作ってきた文化の中で、「少年」という言葉は単なる年齢・性別の表現ではなく、ある象徴的なイメージを持っているのではないか…と思ったり。
それは共通イメージでありながら、一人一人の中で少しずつ違っているイメージでもある…
「神」と聞いて人々が思い浮かべるイメージのように、「少年」のイメージというものがある。

だからきっと、彼女の「少年」は、単に「男子」ではないのでしょう。彼女の中で、その時生まれたものに名前をつけるなら「少年」という言葉のイメージが一番当てはまっていたのだろう、と。

作品中でも、MtFのパパママが、私の中にもまだ少年がいるわよ、と言う。
誰もが心に「少年」を持っている。
そう考えるとすれば、「少年」は性別を超えるアイコンのようなものになっていくのかも。

「少年」のイメージそのものも、やはり性別規範が作り出した部分はかなりあるだろうけれど、こういうねじれ・ずれの表現によって逆に性別を飛び越える力になってしまうって、かなり楽しい、柔らかい優しいことだな、と思うのです。

私の中にもきっといる、駆け抜ける永遠の少年に、思いを馳せます。
本を売る前にレビューを残しとく系。

僕の彼女は女子が好き (ウィングス・コミックス)僕の彼女は女子が好き (ウィングス・コミックス)
(2012/08/25)
門地 かおり

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門地かおりさん、もともとBLで好きな作家さんで、百合姫のカラーイラストとか描いてたから百合漫画も描いてくれないかなー、と思ってたんですが。

これはこれで面白かったんだけど!求めてたものとはちょっと!

ていうのは、門地さんBLの下ネタギャグがめっちゃ面白くて…とくに、性行為をいろいろな隠喩でもって表すあたりが…あれー?いまエッチするシーンのはずだったのに、わかるようなわからないような喩え話に画面が切り替わっちゃったよ?みたいなのがくそ面白くて…

で、百合でそれをやったらどうなるんだろう、とワクワクしてたんですよね

でも今回のこの本は、レズビアンの小夜子さんと小夜子さんを好きな男子の、2人が主人公の話だったので、下ネタも男の股間系が多くて、百合下ネタはほとんどなかったんですよ。

だから次こそはぜひ、門地さんに、レズビアンセックスをする際のあれこれの行為を、わかるようなわからないような食べ物とか交通機関とか童話とかに喩える感じの下ネタをぜひがんばって描いてほしいです。

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
(2012/08/03)
pha

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友達にプレゼントした本を、「読み終わったら貸して」と言って貸してもらって読みましたw

だいたい近頃自分が考えてたことと同じようなことが書いてあったけれど、こういう本がもっと流行って、こういう考え方に世間がシフトしていけばいいのになあ、とか思います

「人とのつながり」「暇潰しにやること」「最低限のお金」の三つがあればニートでも生きていける、そしてその中でも一番大切なのは「人とのつながり」だ、というところが興味深かった。
「人とのつながり」が充実していれば、「最低限のお金」と「暇潰しにやること」は後からついてくる、という持論だそうで。

ここで言っている「人とのつながり」というのは、主にインターネットで広く浅くいろんな人とつながっていることなんだけれど、それってつまり自分の世界が開けていること、視野が広く持てること、ということかもなあ、と。
でも単に情報だけじゃダメで。相手が人だからこそ、一方的に自分が見ているだけじゃなくて、相手からも見られている、自分の存在を見つめている人がいるっていうことも大事なのかな、とか。


そういう考え方、著者の哲学みたいなことから、かなり実用的なことや、おすすめ書籍、基礎的な社会学をわかりやすく説明している部分など、けっこう盛り沢山な内容。

働きたくないと思ってる人にとっても使える本だけど、将来が不安な人や、自分なんてダメ人間だと卑下してしまう人も、読んでみると良い本だなあ、と思います。

ちなみに私はこの中に書いてあったこといくつかパクって試そうと思ってますw
最近紺野キタさんの『ひみつの階段』を読んで「うおーー!いい!!」ってなってたんですが


ひみつの階段 1巻 (PIANISSIMO COMICS)ひみつの階段 1巻 (PIANISSIMO COMICS)
(2009/08)
紺野 キタ

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そしたら『ひらり、』最新号の紺野キタさんの『少年』という短編がものすごく良くて、この人の漫画買い集めてしまいそうです。
金欠なのに。ぐは。


ピュア百合アンソロジー ひらり、 Vol.9ピュア百合アンソロジー ひらり、 Vol.9
(2012/11/30)
森永 みるく、高嶋 ひろみ 他

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「少年」といっても、男子が出てくるわけじゃないんですよ。

「私の中に 少年がいて 君に恋をしています」

冒頭シーンでいきなりこのセリフ。もちろん言っているのは女子です。
でも、この漫画の何が良いって、誰も「少年」の存在を否定しないことなんですよ。

登場人物はほとんど告白した葉山さん、告白された宮路さん、そして宮路さんの親…MtFらしきママ兼パパの、3人のみ。
誰も、彼女の中の「少年」について、「わけわかんないこと言ってる」とか、「ありえない」とか言わないの。
「思い込みが激しい」とも「妄想癖」とも言わないんですよ。

なんかそれが私はとても泣けました。
そんな、「泣ける」とかいうほど、感情に強く訴え掛けるタイプの漫画ではないんだけど、泣けてしまった。


『ひみつの階段』の良さも、同じところにあるのかなあ、と思います。
「友達」の存在を語る時に、「楽しく過ごせる」とか「ぶつかり合える」とかいう言葉で語られがちだけれど、「やさしさを分け合える」ことってもっとすごく本質なんじゃないかと思う。

共感してくれた、寄り添ってくれた、誰かのやさしさに、ほんとうに救われたこと。
そういうことって、物語の中で、男女の恋愛として描かれることが多いけど、それだけじゃなんだか狭い。
恋愛でも友情でも、同性でも異性でも、やさしくしたい気持ちはあるし、この人がいてくれて良かったって気持ちはある。その気持ちは区切れるものじゃないよね。

『ひみつの階段』は百合漫画という括りではなさそうなので(百合もあるけど)、異性愛もあったり。
でも、そういう漫画の中での女子高の友達間のやさしさを描いたのだから、『ひらり、』の作家となって、これからも百合ジャンルの漫画を描いていくのかと思うと、期待がふくらみます。


Qlairの『さよならのチャイム』の歌詞が浮かぶんだよね

ねえ優しかった そうあなたのこと
きっと私 忘れないから


そういうえば『少年』でも、Qlairの『永遠の少年』のことが思い浮かんだ。

駆け抜ける 永遠の少年
泡になってゆく サイダーのように


プロデューサーの篠崎恵子にとっては、クレア=永遠の少年、なのだそうです。
Qlairと紺野キタ、親和性あるかも…

Qlair『さよならのチャイム』