JPN(通常盤)JPN(通常盤)
(2011/11/30)
Perfume

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JPNってもちろんPerfumeのニューアルバムJPNですよ!

いろいろ一生懸命このアルバムに込められたものを読み取ろうとしてきたんですが、結論からいっちゃうと、
「約束」と「決別」、そして新たな「始まり」の1枚だな、と思いました。



1.〈OPENING〉でひっそりと、しかし何かが始まる予感を秘めた幕開け。
2.〈レーザービーム〉、3.〈GLITTER〉でアルバムミックスを畳み掛ける流れは、まさにフロアでDJプレイしているイメージ。Perfume Nightが始まった!と感じさせる。
レーザービームが、シングルの時のクールなイメージから、かなり微妙なベース音の変化によって軽快でユーモラスにイメチェンしているのも耳を引きつける。

4.〈ナチュラルに恋して〉では一気に日常の雰囲気になるんだけれど、フェードアウトで終わるGLITTERからフェードインで始まるナチュ恋へと、日常へシフトしていく感じがまた秀逸。

しかし、Perfume Nightの始まりを告げるかのようなオープニング3曲のために、日常を描いていてもどこか、ショーの一部、虚構の日常のようにも思えてくる。
その感覚は5.〈MY COLOR〉が、歌詞は日常のひとコマを描きながら音楽はこれまでのPerfume楽曲の中でも特に踊りやすい、直球の4つ打ちとノリやすいメロディーの繰り返しで構成されていることからも強まっていく。

この、ポップで歌いやすく大衆向けっぽくもありつつ、「踊れる曲」でディスコな雰囲気も持つ、という特徴は、他の新曲11.〈心のスポーツ〉12.〈Have a Stroll〉にも共通している。

Have a Strollってなんか、すごく典型的な何かをなぞってますよね?
詳しい人知識ください…
なんかcymbalsのカバーかなと思ったのですよ。
なんというかこのアルバムは、直球が逆に変化球になってるみたいな感じが多々ありますね。

11.より前には変則的なリズムだったりおとなしめだったりと、あまり踊り向きでない感じの曲がだーっと挟まっているし、13.〈不自然なガール〉ではスクラッチのようなアレンジが入っていて、冒頭でイメージしたフロアの世界に、最後にまた戻ってきたように感じさせる。



さてここからは、さらに歌詞の世界に踏み込んでみたい。

やはり問題作は6.〈時の針〉。

今までのPefumeでは考えられないような、シンプルなアレンジ、ほぼ加工の無いソロボーカル。
どっぷりなファンでない人だったら、もしかして初めてここではっきり3人の歌声を知るかも。

この時の針、歌詞はなんだかウェディングソングのような雰囲気だ。
しかしインタビューなどを読むと3人はあまりこの歌に関して「結婚」という意識はないようで、もしかしたら、別の解釈が話し合われていて、それをあえて言わないのかも、と勘繰ったりしてしまう。

ウェディングといえば、思い出す光景がある。
2010年11月東京ドームライブのオープニング、純白の衣装に身を包んだ3人がそれぞれ別々の花道から中央のステージに集まってくる、「GISHIKI」だ。

あの日ふたりで交わした誓いを胸の中に
大切に守り続けよう 時の針がまわっても


あのGISHIKIは、Perfumeとファンの間で交わされた何らかの誓いだったかもしれない。
同じニュアンスはGLITTERの歌詞にも登場する。

キラキラの夢の中で
僕たちは約束をしたね


しかし、約束は「夢の中で」、どこか儚い。
時の針では、

ふと思い出す景色のように
永遠になれたらいいな このまま


「永遠」は、すでに過去の景色。

それは、「永遠性を持つ一瞬」なのだと思う。
あの日Perfumeとファンが見つめた、「Perfume」という永遠の約束は、一瞬の中にしかない。

10.〈VOICE〉にくると、

キュンとする一瞬の恋が
輝く宝石みたいに続くなら


それが一瞬のもので、ずっと「続く」ものではない切なさが、はっきりと示されている。

そう思うと、時の針からVOICEにいたる7.〈ねぇ〉8.〈微かなカオリ〉9.〈575〉も、なんだか「一瞬の恋」の不安や儚さを感じさせる。
特にねぇは、明るい歌詞が、鋭い音とメロディーを上滑りしているようで、最後まで繰り返される「ねぇ」の声も妙に不穏だ。

終幕の4曲に入るとさらに不安は増していく。
心のスポーツは、「恋という心のスポーツが運動不足」だと歌うし、Have a Strollは「ないの」「足りない」「ひとつない」「合わない」と繰り返す。
Perfumeとファンの間の恋の危機。両者のずれが生じている。

そして不自然なガール。この曲、片思いの切なさという以上に、何かが終わってしまったような虚しさと哀切を感じるのは私だけではないのでは。

can't stop feeling 不自然なガール
これ以上苦しめないでね


前作「⊿」で完成されてしまったPerfumeという1つの虚像。
しかし、Perfume本人たちは変わり続ける。ずっと同じ虚像を保てない。

だからその時が訪れた。
畏れていた瞬間か、それとも、待ち望んでいた瞬間だろうか。
正直言うと、私はもうずいぶん前からこの時を待っていた気がする。
いつか「違うPerfume」にならなきゃいけない時が必ず来ると。

14.〈スパイス〉
Pefumeは新しい扉を開いた。

知らないままいれば、その扉を開けなければ、完成された「Perfume」の中でずっと楽しんでいれば平和だったかもしれない。けれど、

Everything you need to know.(VOICE)

その扉を開けずにいられるはずがない。
新しいPerfumeが始まる。

だけど、変わるものもあれば、変わらないものもある。
スパイスではこう歌っている。

巡り巡り何か起こすの

すでにピンと来た人もいるはず。
〈ポリリズム〉だ。
変わることは、全てが書き換えられることではない。
「巡り巡る」こと。
それがどんな形になるのか。
たぶん、来春からのアリーナツアーでその第一歩が示されるんじゃないかと期待している。


JPNというタイトルは、これから世界に打って出たいという決意を表したものだと本人たちは話している。
新たなPerfumeの始まりを告げるアルバムのタイトルに、世界での「デビュー」を示唆する言葉を持ってきたこと、すでにチャンスの足がかりができていたためにこの言葉を持ってくることができたことに、運命的な何かを感じる。

「過去」に決別し、新たなの好奇心の行先へ手を伸ばしている。そんなPerfumeの「今」。
JPNを、「Just! Perfume! Now!」と読んでしまうのは、ちょっとダサすぎるだろうか…
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