輔仁(大学でやってる文芸賞)落ちたのでここに載せられることになりました(笑)。今読み返すととても下手くそだ。
でもやりたいことはやり切っているかも。もうちょっと文章が上手ければなあ。

読んでる人が登場人物に感情移入して、読んでてつらくて胃がキリキリしてくるようなものが書きたかったんだけど、選評では「深刻にならずに書いている」って言われてた。
深刻さが足りなかったかなあ。



『かたっぽの宇宙』



徹巳(てつみ)が、たしか三歳くらいの頃だった。
――どこまで行ったらおうちに帰れないの、と父に聞いたことがあった。テレビか何かで「もうあの場所には帰れない」とか、そういう台詞を聞いたのかもしれない。どこかすごく遠い場所に行ってしまったら、家に帰れなくなるんだろうかと、それは不安でもあったけれど、少しの憧れもまじった空想だった。
あの時お父さんは、なんて言っていただろう。


 
だんだんと、星が明るい季節になってきた。十二月五日、水曜日。自転車を漕ぐコートの隙間に風が冷たい。紗央里は小さく「ピエ・イエス」を口ずさむ。クリスマスコンサートで歌う曲の一つだ。澄んだメロディは、捉えようとして捉えられないままの気持ちを抱え、焦る自分をなだめていくようだ。
お父さんは霧の中に消えた。
 紗央里の中でのイメージでは、そんな風だった。何でもないことのように、ふいに居なくなってしまったから、「今まで居た人が居なくなること」を実感できないままだ。とても大きなことのはずなのに、よくわからないまま過ぎてしまう。このまま過ぎてしまうのだろうか。
 自転車に乗ったまま車庫につっこんだ。魚の焼けるにおいが家の中から漂ってくる。
――徹、もう夕飯できたのかな。
兼業主夫をしていた父のかわりに、弟の徹巳が家事をやっている。それなのに姉の自分が部活でこんな時間に帰ってくることが、紗央里のちょっとした罪悪感だった。紗央里が今の学校を受験したのは聖歌隊に憧れたからだということを、家族みんなが知っていたし、母も徹巳も、紗央里を責めたりしない。けれど、自分だけが家族のために何もしていない今の状況はじれったい。「部活が忙しいから」という言葉を浮かべるたびに自分を言い訳がましく思ってしまう。
 
炊飯ジャーの蓋を開けてちらりと振り返ると、エプロンを冗談みたいに付けた徹巳が自分の茶碗を持って「早く」と目で訴えてきた。
「お腹すいたあ。紗央里、早くどけ」
「はーいはい。……徹また大盛り食いすんの?」
「俺が炊いたんだもん。文句言うなよ」
「デブになるぞ、デブに」
その言葉に徹巳はデコピンで応酬しようとして、一瞬掴みあいになり、すぐ笑って手をはなした。デコピンは最近テレビの罰ゲームで見てから徹巳のお気に入りらしい。
二人だけの食卓は、もうお互い慣れてしまって、ずっと前からこうだったような気がしている。双子のように育ってきたからもともと仲が良いのもあるかもしれない。というのも二人は、実際は年子なのだが、誕生日の関係で同学年になってしまっている姉弟なのである。
――でも、ここにいつも三人いたのは、そんなに前のことではないんだ。
そう思って紗央里は少し、自分にぞっとする。お父さんがいなくなって崩壊した家族のバランス。それが、簡単に修正が効くものだったとしたら、そんなに残酷なことはないのだ。ときどきそのことは紗央里の心臓を持ち上げて、苦しくさせる。
「紗央里さ、トマトジャムとトマトピューレどっちがいいと思う」
 鯵の開きをつつきながら、徹巳が突然聞いてきた。
「え? 何」
「トマト、お母さん注文してたのに、スーパーで買っちゃったんだってさ。余るじゃん」
「……徹ってさ、もしかして料理好き?」
いぶかしそうな紗央里に、徹巳は
「うーん、まあ……。紗央里とちがって料理のセンスがあるからね」
 とニヤリと笑ってみせた。
「……どうせ、せいぜい炒飯とカレーですよう」
 この食卓が明るいことは、ひとつの救いであるから、二人は崩さないように、バランスを取るのがだんだん上手くなっている。それは、過去を考えると残酷なことでも、未来を考えればきっと、その方が良いことなのだ。
今の紗央里にとっては、過去よりも未来の方が大事だった。感情が振り返ろうとするお父さんの姿は、見ないふりをしてやり過ごしてしまったとしても、それはそんなにいけないことだろうか。

 お母さんは十一時過ぎに帰ってきて、かなり酔っていた。こんなに正体なくすほど飲むなんて珍しい。紗央里がとりとめのない話を適当に受け流しながら、水を汲んで手渡そうとした、そのとき、手の中のコップから水がこぼれかけた。
お母さんの目に、涙が溜まっている。
「……ごめん」
「……ぷっ、何が……酔っぱらいだなあ」
 つい笑ってしまったけれど、おかしかったからじゃない。親に謝られるのって、怖い。泣かれるのも。親も一人の人間なのだと、もうけっこう前から、理解してはいるはずなのに。母の喉から泣き声がもれた。
「だって……、お父さん、ねえ、私のせいで出てった、から、ごめんねえ」
やっぱりそこへきたか。冷静でない言葉だとは思うけれど、どこか本音なんだと思う。しゃくりあげる声が、静かなリビングでは響いてしまう。紗央里は逃げ道を探す。
「別にお母さんのせいじゃないんじゃん?」
わざと軽い口調になってる。
「お母さんの、せいだよお……。もっと普通の、家事とかちゃんと、しないと、ね。私、家事なんにも、やってなくって、迷惑かけちゃって、ごめんねえ。徹巳にも紗央里にも、ほんと、ごめん……トマトも買い間違えちゃって、ごめんなさい……」
泣き方もオーバーになってきてるし、支離滅裂だ。……わかってる。弱って見せたいんだ。
「トマト関係ないじゃん。お母さんは働いてるんだし……」
「だってトマト、余っちゃうじゃない? お母さんのせいよお。ごめん……ごめん……」
 なんとか水を飲ませて、しばらくすると落ち着いてきた。最後のコップに残った水を飲み干すと、お母さんはいきなり「寝るわ」と言って立ち上がり、寝室へ入っていった。
明日の朝は起こしてやらなきゃならないかも、と、紗央里は一つ、息をついた。

 東側に面した徹巳の部屋のベランダからは、ちょうどふたご座が正面に見える。天体望遠鏡の先に見つめているのは、双子の片割れのカストル。望遠鏡で見ると、星が二重に見える。本当は、カストルは六重連星なのだけど、肉眼だと一つ、家庭用の天体望遠鏡なら二つ見分けるのが限界だ。
……徹巳は想像する。片割れのポルックスにとっては、双子だと思っていた相手が実は六人いたという状況である。ポルックスが近づいてみると、後ろから次々と連なって出てくる、六人のカストル達……。
笑みを押さえられずに望遠鏡から目線をはずすと、ふいに気配を感じて振り向いた。部屋のドアのところに紗央里がぽかんとして立っていた。
「な、んだよ……! 黙って見てんなバカ」
「いや、徹が宇宙に行っちゃってたから、声かけたら悪いじゃん」
「なんだそれ」
 見られたことと、照れ隠しに大声を出したことが、両方恥ずかしくて、徹巳はぼそぼそと呟いた。
「お母さん帰ってきたよ。ご飯食べてきたって」
「あ、そう」
わざとぶっきらぼうに応えている。自分で照れ隠しだとわかっているから余計に恥ずかしい。
「あとさ。土曜、やっぱり、〝家族会議〟やるってさ」
 寝に行く直前に、母は紗央里にそう告げていった。こういう、妙にしっかりしているところがあるから、お母さんは仕事ができるのだろうか。……といっても人からそう聞いているだけだけれど。
「あ、そう」
今の応えは、照れ隠しではない。徹巳はそれしか、応えようがなかった。
母は今までに、何度か父との話し合いを設けてきたらしいが、その場に二人が呼ばれるのはこれが始めてだ。二人とも、薄々わかっている。お母さんはきっともう、決着をつけたがっている。
「オリオン座?」
「ちがう」
「何見てんの?」
「……さあ」
「なんだよ。拗ーねちゃった」
 うるさいと言って紗央里を追い払ってから、望遠鏡を片付けた。土曜日のことを考えると頭の中がいっぱいでどうしようもなくなってしまう。考えずに過ごすにはどうしたらいいんだろうか。
 ノートを開いた。日記ともいえないような、走り書きがたくさん書いてある。頭の中を言葉にしようと思ったけれど、何も浮かばない。

 カストル

 少し考えて、シャーペンの芯を出したり縮めたりしてから、

 カストル  ポルックスは驚いただろう

 ふと、紗央里のことが思い浮かんだ。双子だと思っていたのに、双子じゃなかっただなんて、まるで紗央里みたいな変なやつだ。
そう、小さい頃は、同じ学年にいる紗央里とは双子の姉弟だと思っていた。紗央里も同じように思っていたらしい。
実際、小さい頃の二人は似ている。もちろんほぼ一年分の成長の差があるのだが、今になって写真で見ると、一人ずつ写っているものでは見分けが付かないくらいだ。
昔の自分の写真を見て自分なのかわからないのは、妙な感覚だ。小さい頃の自分の姿なんてそんなに覚えていないし、時々知らない子供の写真を見ているような気もしてくる。ふと、この子供はどこへ行ってしまったんだろう、なんて妙な気持ちが浮かんできて、我に返ったりする。
もしかしたら、「おうちに帰れないほど遠いところ」へ行ってしまったのだろうか。あの、双子の子供たち。
お父さんがもう帰ってこなくなったのも、そんな場所へ行ってしまったからなのか。
そんな思いは、言葉には上手くまとまらないまま、徹巳はノートを閉じた。



「高校のサッカー部では、中学から続けてきた徹巳は有利だよ」
ああ、これは、高校入学の頃の父の口癖だ。中学では徹はレギュラーと補欠の間を行ったり来たりする状態だったから……。
お父さんはソファの前の床に座って、寄り掛かるような格好で上機嫌で酔っている。ダイニングテーブルの端の方に立って、それを見つめている。
「お父さんは運動音痴のガリ勉だったけど、徹巳は運動ができるよね」
このセリフは、酔ったときの口癖だったか。確かに徹は他の男の子たちに劣らない程度には運動もできた。……でもきっと徹は、星の方が好きみたいだけど……。
いつのまにか紗央里は、望遠鏡を買ってもらった日へと移る。「二人に」と買ってもらったが、紗央里は最初のうちだけはしゃいで、結局自分では使い方も覚えないうちに飽きてしまった。でも徹巳はその後もずっと、暇さえあれば望遠鏡を覗いていた。小学校で星博士と呼ばれて嬉しそうにしていたこともあった。いつの間にか望遠鏡は徹巳一人の持ち物になっていた。
――徹は、お父さんのことが、あまり好きじゃないのかもしれない。
紗央里から見ても、お父さんは徹巳の気持ちを理解していない。徹巳は、もしかして、自分を責めたりしているだろうか。紗央里が抱いているのに似た苦さを持っているかも。
いつのまにか、「お父さんを含む家族」が修復することを、考えなくなっていた。無理だと決めてしまったんだろうか。お父さんが帰ってこないつもりだということがわかってからも、しばらくは、きっと帰ってくるに違いない、そうなるようにしなきゃいけないって思い込んでいたはずなのに。ここ数週間の紗央里は、「お父さんの居ない家族」の形態が安定して、壊れないように、という思いだった。
どうしてそんなに簡単に切り捨てられたんだ。感情が歪んで崩れていく像がちらちらと紗央里の目蓋の裏を責める。――お父さんだって勝手だったんだ。……でも、私や徹の、隠していた気持ちが、もしかしたら、お父さんを霧の中に、追いやったんじゃないだろうか。

考えているうちに居眠りしてしまっていたらしい。夢と思考が半々に混じっていたような夢。
「田尾さん……!」
小突かれて目覚めると、前の席の村野さんがプリントを差し出して「どんまい」という感じに笑っていた。
小さくなるような思いで照れ笑いを浮かべ、プリントを回す。十二月六日、木曜日。この六限目が終われば部活の時間で、今日もまた「ピエ・イエス」が歌えることが紗央里はうれしかった。
聖歌隊をやめられない理由はありすぎるほどあったが、本当に一番の理由はこれなのかもしれない。「ピエ・イエス」が自分を支えている。つらいとか、悲しい気持ちに苛まれているなんていう深刻さはないけれど、これがなくなってしまったら、心が折れそうな予感がする。

フォーレ作曲『ピエ・イエス』。「レクイエム」の中の一曲。レクイエムは、つまり葬儀ミサ。死者を送る儀式・レクイエムには規定のテクストがある。しかしフォーレは、規定の曲のひとつ、死の恐怖を表現する「怒りの日――ディエス・イレ」を削除して代わりに典礼文からこの「慈悲深き主イエスよ――ピエ・イエス」を挿入した。
Pie Jesu, Domine, dona eis requiem.
 慈悲深き主イエスよ、彼らに安息を与え給え。
Dona eis requiem, sempiternam requiem.
 彼らに安息を、永遠の安息を与え給え。

 シスターからこの歌詞と解説が配られて、三年の部長が読み上げた。その後で、シスターが穏やかに付け加える。
「フォーレはこのレクイエムの完成前に相次いで両親を亡くしているんです。このピエ・イエスに込められているフォーレの気持ちを考えながら歌ってみてください」
 ひどく個人的だ、と紗央里は思った。神サマを讃える、荘厳な「聖歌」というよりも、もっと切実な、まるで感情の吐露だ。自分の大切な人が死後の世界で苦しみなく、永遠の安息の中にいてほしい、だなんて。
なんだか、妙に不安で、嫌な気持ちだった。親が一人の人間だと実感するのと似ているかもしれない。フォーレが一人の人間だと実感するのは、ちょっとそわそわして、落ち着かない。
その日の練習は、周りのみんなの声がうまく聴こえない気がして、声がちゃんと出せなかった。
後悔で頭を曇らせて、帰り道、自転車の轍に、この胸でゆらゆらする気持ち悪さを少しずつ、引きずり残して走る。暗い住宅街に人影はない。今日出なかった、高いファの部分を小さく歌ってみる。
――なんだ、普通に音、届くじゃん……。
遠くに明るく光る、あの赤い星は、火星だろうか。

徹巳の部屋のドアは今日も開けっ放しで、電気は消えている。見ると、案の定ベランダで望遠鏡を覗いていた。
サッカー部に入っていた頃は忙しくて星を見ることも少なくなっていたけれど、お父さんが帰ってこなくなって家事のためにサッカーをやめてからは、毎日のように望遠鏡を覗いているみたいだ。夢中でレンズを調整していた徹巳は、突然ふっと振り返った。
「なんでいっつも黙って見てんだよ……」
「いや……なんとなく」
「なんか用?」
 別に今日は言うことがあったわけじゃない。何か、言ってしまいたい気持ちがあるようにも思うけれど、何が言いたいのか紗央里は自分でもよくわからない。
「……あのさ紗央里……」
迷っていたら、徹巳の方から話しかけてきた。
「何?」
「いや……。あー、紗央里は宇宙って行ってみたい?」
「宇宙? えー、どうだろう……宇宙人がいるんだったら、会ってみたいかも。火星人って、結局いないんだっけ」
 もちろん現在火星に火星人がいるか、という話ではなく、生命体の存在が証明されたかどうかについてのことだ。
「まだ未解決。生命体は存在したかもしれないし、しなかったとも言える」
「ふーん。……あ、でも、ロックは宇宙にいるんだよね?」
徹巳が大きく振り返る。
「ロックが? なんで」
それは、昔家で飼っていた犬の名前である。つらい病気をして四年前に死んでしまったけれど、名前に似合わずおとなしくて優しい、臆病な犬で、家族のアイドルだった。
「あの子いつも夜空を眺めてたから、もともと星から来たんじゃないかって……コレ徹が言ったんだよ」
「そんなこと言った?」
「ばっちり覚えてる」
 徹巳は考えてみるけれど、思い出せない。たしかに紗央里よりは、自分が言い出しそうなことではある。
 ――でもきっと、いるのは火星じゃないよな。
 軍神マルスだなんて、全然ロックのイメージじゃない。まあ、実際は、火星は生物が住むには好環境の星なんだけれど。
「……で、紗央里何か用?」
「あ、いや別に見てただけです」
 紗央里が行ったあと、徹巳は急いでもう一度、望遠鏡を調整しなおした。そうだ、今は火星人どころではないのだ。慎重に、ひとつひとつ、間違いがないか確認した。覗き込んでみる。
 ――やっぱり……ない!
 さっき実は、紗央里に言おうとして、とっさに別の話題にすり変えた。
 ――うそだろー? ポルックスがない……。
肉眼で見ても、確かにないのだ。雲や大気の状態で星が隠れてしまうことはあるけれど、周りの星々がくっきり見えているのに、一つだけ抜け落ちたようにないだなんて、ありえるんだろうか。
――これはもしや、すごい発見なんじゃないか。
……いや。
徹巳は思い直した。きっと何かそういう現象があるんだろう、たぶん。こんなことは大したことではないんだ。
心の中の大半はその意見に同調しているけれど、何か、どうしてもそわそわしてしまっている。小さい頃から徹巳は、不思議なことに遭遇したかった。何でもないんだろう、ということを前提としておいていい。空想は自由だと思う。――ポルックスはどこへ行ったんだろう?
徹巳のノート。

ポルックスが家出した。どこか遠くへ? どんな気持ちで?

そう書いたあと、徹巳は、空想が自由を失ったのを感じた。



「聖書」の時間はいつも退屈だが、今日はとくに何も頭に入りそうになかった。
 十二月七日、金曜日。明日になれば、当たり前だが、土曜日がやってくる。お父さんが仕事場にこもるようになった頃から、久しぶりの再会だった。
 母と同じように、紗央里は、結論を望んでいる自分に気付いていた。もう、希望の少ない未来に期待して待つのは疲れた。平和な日常に戻りたい。
だけど明日、父と再会しても、そう思えるだろうか。また小さな希望にすがりたくなるのが怖い。現実的にどんなに考えてみても、新しい家族を再建する方が、お互いを泥沼にはまらせずに前へ進む方法なんだ。
――皆、これを取って食べなさい。これはあなたがたのために渡されるわたしのからだである。
――皆、これを受けて飲みなさい。これはわたしの血の杯、あなたがたと多くの人のために流されて罪のゆるしとなる新しい永遠の契約の血である。
シスターが抑揚なく、ミサ奉献文とかいうものを読んでいる。机に前のめりになっていると眠くなってきて、ノートの端に丸やら星マークやらをいくつも書いてみる。今、なんて言っていた? 「新しい永遠の」……? キリストサマは復活して、永遠をくれたのだろうか。ピエ・イエスは、「永遠の安息」をしきりに求めている。
「新しい永遠の安息」、それはこの世にはないものだということは、紗央里はなんとなくわかった。家族は永遠ではなく、「新しい家族」にしても、それは同じなんだ。それでも紗央里は永遠ではない家族を、新しい姿でも、復活させたいと願っている。
放課後の音楽室に来て、足を肩幅に開き、お腹に両手をあてたそのときも、紗央里の頭の中では解けない矛盾が、薄い灰色の雲になって覆っていた。
教室の後ろの段になっているところに、みんなでずらりと並んで歌うのは、練習始めの恒例だ。ピアノの音、発声練習の声、少しずつ雲が途切れて、光がさすように入り込んできた。高音がきれいに、紗央里のお腹の奥から出ていく感覚。ほどよく心地いい、腹筋の疲れを感じる。

 ピエ・イエス、ドミネ、ダナ、エイス、レクイエム
 ――安息を、永遠の安息を与えたまえ。

 周りの声に耳を澄ませ、自分の声がぴたりあてはまるように、そこに重ねていく。今日は声が出したいように出る。気持ちがいい。もっと、もっと、お腹の底から。
 ふいに、目の前がぐらりと傾いた。
足がもつれて、紗央里はその場で尻餅をついていた。
「大丈夫?!」
「紗央里どうしたの」
「保健室いく?」
ざわめいて友達が駆け寄る姿が、なぜか外の世界の出来事のように見える。声を合わせて歌うことは、この聖歌隊のみんなにとって、信頼をたしかにしていくことだったはずだ。本当に、どうしたんだろう。すごく気持ちが良かったのに。酔ったんだろうか?
「たぶん……ちょっと休んでれば平気」
 椅子に座って、練習を再開するみんなを見ながら、大きく息をついてみた。
あんなに気持ちよく歌っているように感じていたのに、今になって、記憶の中のさっきまで歌っていた自分は、なんだか必死で痛々しいものに見えている。怖いから、必死で歌ってたんだろうか。どんなに歌っても、不安と恐怖は忘れられない?
窓の外には、夕焼け空が広がっている。
――一番星見えるかな。
不安に震え、怖れながら、それでも自分は永遠の安息を求めて歌うんだろう。フォーレもそうだったんだろうか。
本当は、一番怖いことは、お父さんを目の前にして、気持ちが全然揺れないことだ。

 目の前に走る細い十字路を横切っていた人影に、徹巳は、立ち止まった。学校から帰る道のりの、半分くらい来た場所だ。なんだっけ、今の子供。なんだかとても覚えがある気がする。
 はっとした。
あれは、あの顔は、小さい頃の自分の姿と、そして紗央里に似ていたんじゃないか。あのどこかへ行ってしまった双子に……
 気付いて、徹巳は思わず子供が駆けていった路地を覗き込んだ。もうその姿は見えない。その先の角を曲がって行ったのかもしれない。――それか、戻れないほど遠い場所へ、また帰っていったのか。
 徹巳は空想する。あれは、もしかしたら家出したポルックスかもしれない。そんな風に考えてみるんだ……。――ポルックス、君はこんなところで何してるんだ?
 その問いを投げかけたい相手が、ポルックスではないことに徹巳は気付く。
明日は、問わなくてはいけないんだろうか。自分の放った言葉がお父さんの心をどんな形にしてしまったのか、確かめなくてはならない? それは、考えるほどに怖くてたまらない。
 ――ポルックス、君は元の場所に、きっと帰るんだろう?
家の門まで来たところで、電話のベルの音に気付いた。家の中から聞こえている。一瞬、走って取りに行こうかと思ったけれど、家電に急ぎの連絡が来ることは希なので、そんなに焦らずに徹巳は玄関の鍵を開けた。
 電話はまだ鳴っていた。やはり少し急いで靴を脱ぎ捨てると、廊下の角に据えられた棚へ走りより、受話器を取った。
「はい、田尾です」
「……徹巳か?」
 ――息が止まりそうになった。
「お父さん?」
「ああ……。今、大丈夫? 少し話す時間、あるか?」
「……うん、あるよ」
「そうか……うん。お父さんなあ、明日、急に用事が入って、行けなくなった」
 徹巳は黙ってしまった。肩透かし。こういうことを言うのか、と妙に納得している。そうか、お父さんは怖いんだ。怖くて逃げるんだ。……でも、怖いのはお父さんだけじゃない。自分もとても怖かったし、紗央里だって、お母さんだってきっと、明日が怖かっただろう。でも、がんばろうとしていたのだ。
「徹巳? 聞いてるか? すまんなあ」
「……」
「すまんなあ……。なあ、徹巳、あのな、前に徹巳と会ったときのことでな、お父さんいろいろ考えたんだ」
 徹巳の心臓が、一度だけ大きくはねる。あの時、きっと自分は、ずっと心の中で抑えて育ててしまった小さなナイフを、お父さんにふりかざした。徹巳の反応がないのを、気にしているのかいないのか、そのまま父は続けた。
「あのな、お父さん、少し前からずっと、思ってたんだ。俺は〝お父さん〟なんて人間じゃない。〝版画家・田尾晴邦〟なんだ、って。わかるかな。家で主婦みたいなことをやってて、外で働いてるお母さんはいろんな人に尊敬されてるし、とてもそれがつらかったんだ。
 でも、な。徹巳だって、〝お父さんの息子〟である以前に、〝徹巳〟っていう人間なんだもんな。お父さんそれずっと、忘れてたかもしれないなあって。お前が俺の人生を、生き直してくれるみたいに、思ってたかもしれない。このあいだのお前の言葉を聞いてそう気付いて、なあ……すまんかったと思う、本当に」
 徹巳は耐え切れず、がちゃっと音を立てて受話器を置いた。手が震えていた。もう、お父さんは帰ってこない。それがわかってしまったから。お父さんはもう、息子としての自分を、家族を、求めていないのが、よくわかったから。
 徹巳の隠したナイフが傷つけたのは、お父さん自身じゃなく、お父さんと徹巳の、重なり繋がっている部分だ。徹巳がそこに亀裂を入れ、今父が引き裂いて、完全に二つに分かれた。

 お母さんは怒り狂った。お父さんは卑怯だと言い、ずるいと言い、勝手だと言って、ひとしきり怒りを撒き散らしてしまうと、顔を覆って座り込んだ。泣いているみたいな、頭のつむじしか見えない格好は、さっき同じことを話したときの紗央里の姿と全く同じだ。それでも徹巳はさっきと同じようにその姿に動揺して、何も言えずにまごついてしまう。 徹巳には絶対にできないまっすぐな感情表現を、同じ家族である二人がどうしてできるのか、不思議だ。
「もう……どうすんのよ。もうやだ。めんどくさくなってきた」
「お母さん泣いてる?」
紗央里が聞く。
「泣いてない」
 頭を上げたその表情には、たしかに感傷はない。目は少し赤いけれど。
「お父さんは、怖がってるのよ。お母さんのこと。叱られる子供みたいに、怖がってるのよ。お父さんのお母さんになった覚えなんてないのに。……馬鹿みたいよ」
 ずんぐりした背中を丸めて叱られた子供のように母の話を聞く父の姿は、容易に思い浮かぶ。お互い対等に話したいと思っているのにそれができないのは、どちらが悪いのでもないし、どちらも悪いともいえた。
「ごめん。お母さんうまくやれなかったんだと思う。早く決着つけて、落ち着けるようになんとかするから」
「別れるってこと?」
……言った徹巳自身が、はっとしていた。言葉が勝手に出てきてしまった。
母が、目をふせる。二人が黙ってそれを見つめる。
「……ごめん。お母さんどうにもできなくて……」
「お母さんのせいじゃないよ」
 徹巳は慌てて声を上げる。隣で紗央里が息を飲む気配がわかる。
徹巳は思う。あの日のことを、ずっと言えなかったのは、どうしてだろう。後ろめたかった。二人が自分を責めるわけないのに、責められる気がして怖かった。自分もお父さんと同じなんだろうか?
「……おれのせいだよ」
 徹巳の意外な言葉に、母も紗央里も反応できずに黙った。続きを求める二人の眼差しが徹巳に集まる。
「本当は、一度だけ、お父さんに会ったんだ。お父さん帰ってこなくなった後に、一度」

それは、仕事場にこもると言って父が家を離れてから、三週間経とうとしていたときだった。最初は一週間くらいと言っていたのにも関わらずだ。連絡は母の方からしないと何も言ってこないし、電話にもあまり出ない。出ても、適当にごまかして流してしまうらしい。明らかに、父の行動が普通のものじゃなくなっていた。
 徹巳はその日、父の仕事場のすぐ近くまで、行ったのだ。
何か言おうと思ったわけじゃないしどうするつもりかも決めていなかった。ただ、何かしないと気が済まなかったから。結局アトリエの入っているビルの前まで来て、ただ立ち尽くした。
急に、お父さんに会ってしまったらどうしようという気持ちになってきて、急いで帰ろうとしたとき、数メートル先のコンビニから、ビニール袋を提げた森の熊さんみたいなひげ面の男が出てきた。一目でわかった。父だ。顔を上げ、徹巳の姿を見とめた。
 そのとき父は、目を見開くと、ぎこちなく徹巳に近づいてきて、「どうした、会いに来たのか」と聞いた。それから、「上がってゆっくりしてくか」と聞いてきた。徹巳は「いや、いい」と首を振った。
喉元まで上ってきているものがあった。吐き出そうか、迷っている。
「そのー、徹巳、どうしたんだ急に」
「……お父さんこそ、どうしたの」
 上りつめたものは、とうとう出てきてしまった。
「なんで帰ってこないの」
「それは……お母さんから聞いてないか? 仕事がなかなか終らんからなあ?」
 お母さんからは、「はっきりしたことを何も言ってくれない」って、聞いている。
「……おれ、サッカーやめたから」
急にどうして、今こんな話を切り出したんだろう。動揺させたかった? 傷つけたかった?
「……なんでだ?」
「家事、誰かやんなきゃいけないし。お母さんも紗央里も忙しいし」
「そんなの、紗央里は部活なんだから、お前だって一緒だろう」
やっぱり。サッカーのことになるとお父さんは、むきになる。
「……紗央里のは、好きなことじゃん。おれは好きなことやってたわけじゃないから」
 ――皮肉だ。今までずっと、傷つけないために、がっかりさせないために、ごまかして、口にはしなかったのに。どうしてここにきて暴力のようにふるってしまったんだろう?
父は黙ってしまった。徹巳がサッカーを好きじゃないことを、父は実際、知っていたのだろうか。
「お父さんだって、勝手に好きなことやってるし。おれだって勝手に、好きなことやるよ」
でも本当にナイフの刃となったは、その一言だったかもしれない。
間違っていても、理解が足りなくても、父が徹巳との家族の繋がりと思っていたものは、拘束することだったのかもしれないのだから。

「……だから、おれのせいも、あるかもしれないんだ。ごめん」
「どうして謝るのよ……。徹巳は悪くないのよ。お父さんが、悪いんだから……」
 お母さんはそう言うけれど、紗央里には少しだけ徹巳の気持ちがわかってしまった。そのとき徹が、お父さんに向けたのは、悪意が大分、入り混じったものだったんだ。
――どうして、私からお父さんに言ってやらなかったんだろう。
紗央里は前から、徹巳は何が好きで、何がやりたいのか、知っていたのだ。紗央里から父にそれを言うことは、徹巳自身が言うことよりもきっと簡単だった。少しの勇気だけで、悪意も無く、できたはずだ。どうしてそれをしなかったんだろう。
小さい頃からいつもお互いのできないことは、補い合ってきたのに。徹巳のできないことは紗央里の仕事だったし、その逆もよくあった。いつの間にか、自分のことに夢中で、手が回らなくなっていた。
 ――永遠じゃないんだ。
 家族は永遠じゃない。もうすでに、心は昔のようにくっついていない。それでも私たちは、家族を必要とする。紗央里は、必要としている。



望遠鏡のレンズの中に、たしかにポルックスがいる。
 ――ちゃんと帰ってきた。
 双子だと思っていたカストルが、偽の双子だったことがショックで家出したポルックスは、迷子になったのち、やっぱり元の場所へ帰ってきた。そんなストーリーが徹巳の頭の中に浮かび、微笑する。
 お父さんは今、きっと迷子なんだろう。――でも、ポルックスのようには、元どおりここへ帰ってこられない。なんとなく徹巳はわかっている。父が壊してしまったものが、大切で大きなものだったから。元のままに作り直すことは、できないものだったから。
 またいつものように、気配に振り向く。もうだいぶ慣れてきた。
「黙って見てないで、入ってくれば」
「あ、はい」
 紗央里はベランダに出て、徹巳の隣でフェンスにもたれた。さっきの徹巳の告白に、何か言ってやりたいと思っているけれど、何も言葉にはならない。
「あのさ、こないだ言ってた、ロックの話さ……」
 徹巳の方から先に口を開いた。
「あ、うん、何?」
「うん、やっぱりおれ、自分が言ったことは覚えてないんだけどさ。いっこ思い出したんだ。ライカ犬のこと」
「ライカ犬?」
「まだ人類が宇宙に行ってない時代に、ヒトよりも先に初めて宇宙に行った犬……。ロシアの、人工衛星スプートニクに乗せられて。最初から、帰ってくる予定はなかったけど」
「えー……」
徹巳は夜空に浮かぶライカを探すように天へと瞳を彷徨わす。つられて紗央里もつい、探してみる。
「ライカのことは、人間の都合で殺された、悲劇なんだけど。でもライカのこと考えると、犬は人間よりも宇宙に近いような気がするんだ……。ロックもきっと、宇宙にいるよ。ライカと一緒に」
「そっかあ……」
 宇宙に届くことができるきれいな犬たちの命は、星と星の間を旅する。それは、永遠という言葉で表せるんじゃないだろうか。永遠は、そこに、ある。
 徹巳は思う。僕らがあの迷子のポルックスに似ていたころ、きっとその瞳は、犬の瞳のようにただ真っ黒だった。でもそんな双子の兄弟はもう、僕らにはいない。宇宙へはもう、帰れない。自分も、紗央里も、お父さんも。
「思い出した!」
 紗央里が突然小さく叫んだ。
「詩が、あったでしょ。徹が書いた……」
「え……?」
「ロックが死んで、私が落ち込んでたときに、見せてくれた……ロックの詩。たしか、そのときだよ。ロックが星から来たって、徹が言ってたの」
「そうだっけ……?」
「そうだよ! あれ、今、ないの?」
「いや、たぶん、取ってあるとは思うけど」
「どこにある?」
「え、何? 本気で探すの?」
二人は部屋の灯りをつけて、探し始める。引き出しの奥にしまった、古いノートの中に書いてある言葉。
「あっこれ?」
「それ違う……たしか、こっちのノートに……」

――そうやって、いつも探しては、彷徨うのだ。
いつのまにか無くしてしまった、自分のもう片方を探して。「もう片方」なんて、本当は最初から、いなかったかもしれないのに。
はるか遠くの帰れない宇宙に残してきてしまった、自分のかたっぽ。永遠の中にいる、もうかたっぽ。いつかまた出会えるだろうか? いつか、宇宙に帰る日。



〝世界は大きくてまいる
 と、隣にいる君に語る
 まっ黒い天井に
 星がタテノリでうたう
 宇宙船が出てきそうだけど
 隣にいる君は地面ばかりを探している
 学校の屋根に
 宇宙が、がんと当たっても
 人類は滅びない
 君も滅びなくて、幸せにしてる
 君は君の 病気を恐れない
 だから君は 病気で死なない
 こうやって二人は考えていることがばらばらで
 というか、君は何も考えていなくても
 今日は美しい夜なのだから
 君も幸せに違いないと思う
 黒い毛並みを撫でてあげる
 病気に手を当てて祈ってあげる
 君は嫌がって首を振る〟



 微小な星が、明け始めた薄暗い空を横切った。それは一瞬のはずなのに、スローモーションで徹巳の頭を駆けて、流星の通ったあとの空だけカーテンを引いたように、明るく輝いていく。左手を伸ばし、星が落ちていく場所にちょうど出会うように、指を合わせた。小さなかけらが徹巳の指に触れると、光は体に入り込み、徹巳はまぶしい朝日の一部となる。

 紗央里は誰もいないリビングで、ホットコーヒーを飲んでいた。十二月八日、土曜日。階段を降りてくる足音が聞こえる。これは徹巳の音だ。
「あれ、もう起きてたの?」
「うん、今日練習休む必要なくなっちゃったからさ……歌ってこようか休もうか、迷ってるとこ……」
「そう」
 徹巳は冷蔵庫から取り出したリンゴを剥き始める。紗央里は甘い香りに期待する。
「ね、詩、見つかった?」
「いや、まだ。どこやったんだろ……ノートに書いたつもりだったんだけどな」
「見つかったら見せてよ」
「あー……もうなんか、別によくない?」
「あれ私、気に入ってたんだよー」
 正直言うと、だいぶ昔に書いた詩を見せるのはちょっと気恥ずかしいのだが、そんなこと紗央里に言っても、「なんで、いいじゃん」とか言って流されるだけなんだろう。
「よし! やっぱり歌ってこよう!」
 リンゴをひとかけ食べたところで紗央里がつぶやいた。ふと、徹巳の頭の中に、あの流星がまた横切った気がした。あれは、夢だったんだろうか。
「おれ、天文部入ろうかな」
 紗央里が徹巳の顔を見る。
「いいじゃん」
「うん……」
 高校に入ってから、特に仲の良い、話のできる友達がいなかった。クラスメイトやサッカー部のやつらとは適度に上手くやっていけていたけれど、星の話とか、好きな作家や画家の話とかできるやつなんていなかったから。
でも、それだけじゃなく。徹巳自身、友達をつくること、他人と繋がることを、そんなに大事に思っていなかったんじゃないだろうか。
 今朝の、あの寝ぼけていたのか、夢だったのかよくわからない体験を思い出す。朝日の中で、世界中、自分の知らない場所にもたしかに人が生きていることを感じた。その中に自分も紗央里も母も、父も、いる。もっとちゃんと、人と話がしたくて、胸がそわそわした。なんだったんだろう、あれは。
 準備を済ませた紗央里が階段を駆け下りてくる。
「じゃいってきまーす」
「あーいってらっしゃい……」
紗央里が開いた家のドアの間から、日の光が射し込んだ。
二人の視界は一瞬、朝の光だけを映して、まぶしく輝いた。
                                     
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コメント

お久しぶりです。
この記事とは関係のないことですが……

今年もお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
ちょっと早いですが、年末のあいさつでした。

          紗知子

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