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パーム (15) 愛でなく <1> (ウィングス・コミックス)パーム (15) 愛でなく <1> (ウィングス・コミックス)
(1992/08/01)
伸 たまき

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パームシリーズ、読み進めております。
これ、一度読み始めると一話完結するまで止まらなくなるんだよね。おかげで徹夜してしまった^^;

さて、「愛でなく」は環境問題と恋愛がテーマ。
どちらの問題に関しても、その真実にかなり鋭く切り込んだ内容で、12巻かけて描かれています。
ごついですねー。まったくもってさらりと読めるものではありません。

しかし、私は今まであまり「環境問題」という名前では考えたことはなかったのだけれど、労働問題や社会福祉の問題として考えてきたこととぴったり合致する内容で、かなり全面同意しながら読みました。

しかしね、わかるよ、そういうことをいうと、まるで人間が築いた社会を破壊する思想のように捉えられがちなのが。資本主義や経済発展を疑うことを本当にこの社会は怖がるんだ。

そういう発想はあまりにも社会に根付いているので、シドのような真面目で良識のある人ほど、その狭間で悩む。
ジェームスやフロイドのような非常識でワガママなタイプの方がすっと入ってくるのねその辺w


壁となる「善良な大衆の思考」の役に、もう一つのテーマ「恋愛」においてジェームスの相手となるシドを配するとは、獣木先生、なかなか残酷です…
互いへの熱烈な恋と、ジェームスがシドを「あんたはファシストだ」と切り捨てるような思想のぶつかり合いが同時進行するさまはかなり濃ゆーいものがあります。

恋は利己的で、さまざまな矛盾を孕んでいて、パートナーとなって愛し合うことは恋よりもっと友情に近いことなのかもしれない。
っていうのも前から私は思ってたのですが、その辺の考え方もこの作者さんと近いのかも、と思ったり。


しかし、セクシュアリティの扱いに関してはちょいちょいモヤります。
素敵な同性愛者や同性カップルのキャラも出てくるんだけれど、異性愛者は絶対に同性愛はできない、みたいなすぱんとした切り分けが。
それでいて今までの恋人は同性だったというジョゼが異性のフロイドを好きになるのは特に説明もなく描かれてて、うーん、どうなのそのへん、とか。

でもまあ、時代を考えれば仕方ないのかも。
「セクシュアリティは揺らいでもいい」とか「性はグラデーション」なんて考え方も表に出てきたのは近年のことだろうし。
そういう考え方を知らないまま、でも人間観察の中で何か割り切れないものを抱えながら出てきたのが、ジェームス・カーター・アンディの関係なのかもしれません。


ところでフロイドがジェームスに、「誰かの顔が頭から離れなくなったことは?」と聞いた時、ジェームスが家族・友人・恋人・犬の名前までずらっと並べたてたのはすげーっと思いました。

私も友愛の強いタチで、友達として心が通い合ったら「好き好き!」モードになって深く愛を注いじゃうタイプなわけですが、その代わり「誰かの顔が頭から離れなくなる」という恋のような感情は誰に対しても持ったことがない。
むしろ夢中になるっていうのは相手が作品や表現や趣味といった「作り物」だからできることであって、生きているものに夢中になるというのは私の「礼儀」の観念からすると、ちょっと考えられない。

しかし、心を通わせた全ての人・生き物にそんな風に夢中なる、と言われれば、なるほどそれもアリだろうな、と。
そこも言ってしまえば「グラデーション」かもしれない。
ジェームスさんとわたくし、ちょっと似ているようで、グラデーションの端と端にいるような。
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