上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
江東区森下文化センターで開催されている、『永遠の少女マンガ展』に行ってきました。

森下文化センターは、江東区にゆかりのある漫画家・田河水泡の作品などを展示する「田河水泡・のらくろ館」を備えていて、区の施設としてはちょっとめずらしいマニアック感のある文化センターです。

でも入ってみるとふつーの公民館とか小さいコミュセンの雰囲気で、近所の子どもが遊びに来てロビーでぐだぐだゲームやったりしてました。

永遠の少女マンガ展」の展示は、そのロビーの奥に展開していました。そうです、入場無料です。

私もかつては、マンガの原画展示というのは、展示用に描かれた絵画には劣るものだと思っていた時がありました。
考えを変えられたのは萩尾望都の原画展に行ってから。
(まあ萩尾先生の原稿は漫画家の中でも特に美しいと思いますが;)
印刷されることを目的とした漫画原稿も、やはり原画には独特の迫力があるのだと知りました。

漫画って本当に、日本の美術史の系統にしっかりと嵌っている文化だなあ、と思います。
なめらかな輪郭線の美しさは浮世絵のそれにとても似ているし、一本の線を隔てて白と黒が反転するようなデザイン的表現は、蒔絵に見られるものと同じではないか、と思ったりします

今回の展示は、三原順の原画展示、森下文化センターで少女マンガ史の講座を持っている小長井信昌氏が編集長として関わった美内すずえ、和田慎二、成田美名子のカラー原画などの展示、さらに竹宮恵子、あすなひろしなどそうそうたる14名の作家の複製原画展示など。

展示の美しさも素晴らしかったけれど、閲覧自由として置いてある書籍などが超驚きの貴重資料ばかりで。
もう普通では手に入らないであろう、昭和期の少女漫画誌、現在は新装版しか出ていないであろう漫画の通常コミックス版などを震える手で見漁りました。

昭和30年代の「なかよし」を読んでみると、私がなかよし読者だったのは平成年代であるにも関わらず、なぜか少女の頃の「なかよしを読むときめき」が胸によみがえってくるという、不思議な感覚を味わいました。
漫画そのものより、間にはさまっているおまけコーナーなどに、「ああ、そうだ、胸ときめく何かがこういう端々にあった」という思いが。
歴史の長さっていうものには、やはり魔法がかった何かが入り込むような気がします。

解説もとても素晴らしかったです。
戦前、女性解放運動の草創期にバレエ漫画が流行った背景には、王子様に助けられる姫君よりも、自ら運命を切り開くバレリーナに少女たちの憧れが移ってきたのではないかという考察。
戦後期には、憧れの世界をそのままに切り取ったような外国ものと、不幸な境遇の少女を描くものとの両極的な作品が流行ったとか。
ふむふむなるほど、と楽しく読みました。


でもでもしかし、何より一番感動したのは、展示のちょっと脇の方、ちょうど田河水泡・のらくろ館の目の前のスペースに、少女マンガがぎっしりつまった本棚があって、本棚の上には、

「少女マンガを読もう」

とのメッセージが掲げられている。
そばにはソファがいくつか置いてあって、2人の小学生くらいにみえる女の子たちがそこで本棚から取ったマンガを熱心に読んでいました。
本棚には新旧の名作少女マンガが揃っており、棚上には「なかよし」「ちゃお」などの最新号もしっかり置いてあります。

子どもが遊びに来るスペースに「少女マンガを読もう」というメッセージ、なかなかこれは勇気がいることではないでしょうか。
これが受け入れられているのは、「高橋のらくろロード」のある土地柄なのでしょうか。
大人が「マンガを読もう」と言ってくれるなんて…!深川小学校(すぐ近くにある)の子どもたちは幸せですよ…!
小学生のころ何度もマンガ禁止令が出たことがある(結局守れずうやむやになることが多かったけど)身としては、うらやましい限りです。


森下文化センター、この展示は2/11までらしいですが、続いて2/14からは「おおやちきの世界展~“伝説”の漫画家、『りぼん』『ぴあ』からイラスト、パズルまで」が開催されるとのこと。
もう、ここに定期的に通おうかと思います…。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

  • URL
  • コメント
  • パスワード
  • 秘密
  • 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:http://sanpoapril.blog104.fc2.com/tb.php/208-ce08a8c5
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。