ママだって、人間ママだって、人間
(2014/03/14)
田房 永子

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読みました。田房永子さんの『ママだって、人間』。

出産体験というよりも、病気の体験記を読んでいるような感じがしてしまいました。
今までメディアとか保健の授業とかで聞いてた「妊娠・出産体験」って、お母さんの身体の変化と、それに対する感覚や気持ちっていう部分が本当に少なかったんだと気づきました。
妊娠から出産にかけての、「こういう風に体が変わるのはちょっと面白い」「でもこういうのは不安」とか、「自分の体に経験のないことが起こってて変な感じ」とか、どうして今までほとんど聞いたことがなかったのか不思議。

田房さんの率直な描写を読んでて思ったのは、妊娠・出産って、「体験してみてもなかなか良さそうなことだけど、絶対体験すべきことでもない」って感じだ、ということ。
世の中に溢れてるメッセージは、「めちゃくちゃ大変で辛くて痛いけど、女性として生まれたからには体験しないと人として不完全」という感じがする。

この本でも、妊娠中の体調の変化はたしかにすごく辛そうで大変そうなんだけれど、読んでると「ちょっと面白そうな体験」とも思えるんですよね。
それこそ大きめの病気や怪我が、辛かったけれど他ではできない貴重な体験でもあって、振り返ると経験してよかったかも、と思える感じに似ている。
本の中でも書いてあったけど、ちょっと出産に関して世間は脅しすぎな気がする。未知の恐怖感を持ってる女性はいっぱいいるんじゃないか。

私は同性愛者でもあるけど、そうでなくても、もし産むのに全て最高の条件が揃っていたとしても子どもがほしいとは思えない人間でして。
自分の人生にとってそれが良いことというイメージが全くない。
それは自分において、ということに限るもので、他人の出産にはそんな風には全然思わないし、親しい人の喜ばしい妊娠には、自分も嬉しいと感じたりはするのですが。

子どもが欲しくない、生みたいと全く思わない、という話をした時に、「なんで!?」とか「さびしいと思わないの?」とか「理解できない!」といった反応が返ってきたことも何度もあるけど、身体や人生を大きく変えることなんだから、感覚として無理、と体が言っていることを受け入れられないのはどうしようもない。

でも、この本を読んで、出産がさほど悪くない体験であると感じるほどに、「あってもなくてもいい体験なんだな」と思えて安心したのでした。
子どもを持つことを現時点で選びたくないと思っている自分を、許されたような感じ。それは個人の体験の一つでしかなくて、経験しなければ人生が不完全というようなものではない、と、不思議と、今まで聞いたどんな出産の話や人生の話よりも、そう感じられたのです。

本の中でたびたび主張されていることも、産むか・産まないかという選択が人それぞれ自由なことと、とても繋がっているんじゃないかと思います。
産むことを選択したとしても、「その時その時どんな思いを持つか」とか「どんなメンタルで過ごすか」とか、それどころか「痛みを何に対してどのくらい感じるか」とか「痛みをどうやってやり過ごすか」まで、スタンダードを押し付けられることがいっぱい出てくる。
その度に田房さんがなんで?おかしくない?と疑問を呈してくれるのが本当に良い。
出産するにしても、中身は人それぞれなんだ、ということが分かった時、「産むか産まないかは個人の自由」という言葉も本当の意味で生きてくるのではないかな、と思ったのでした。
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