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ちょっとツイッターじゃまとまらなそうなので久しぶりにブログに。

明日最終回を迎える、NHKの木曜時代劇「ちかえもん」が本当に面白い!

小池徹平ファンとして見始めたけれど、先の読めない展開と演出の面白さ、素晴らしい役者たちの名演・怪演にすっかりハマりまして。
なぜか明日の最終回を待つ今のタイミングになって、全話を通したこのドラマのテーマ…「大人の犠牲になる若者」という存在について、いろいろなことが自分の中で繋がってきました…



ちかえもんは、人形浄瑠璃作家の近松門左衛門を主役に、彼がとある若者たちの物語を追っていくという、二重構造のドラマ。その二重構造のもう一つの物語の主役となる若者たちが、「曽根崎心中」のモデルとなるお初と徳兵衛。

お初と徳兵衛は、まだ大人の世界にどんな悪があるのか、人を陥れる罠とはどんなものなのかもわからない、ピュアでまっすぐな若者たち。

そして常に、大人たちの犠牲になる。

頑なな復讐心から抜け出せず不法に手を染めた罪、友と時間をかけて理解し合うよりも自身の正義感を急いだ罪。けして悪人ではなく、しかし最善を尽くせなかった親たちの罪が、若者たちの運命を捻じ曲げ、悲劇を生む。

さらに大人の世界には、他者を平気で陥れ、人を物や駒のように扱う人間もいることを、彼らは知らず、罠に絡め取られていく。

小池徹平の喜劇的名演技でこのドラマの名シーンの一つとなった「大人は汚い~!」というセリフも、今思えば象徴的だ。

実際、現実の今の世の中を見ていても、若い人ほど立場が弱く、素直でまっすぐな心を利用されている。前向きな一生懸命さは労働現場で使い捨てられ、経験値も財産も少ない彼らから搾り取ろうとするような罠が、世の中に溢れている。

そんな中ちかえもんでは、狂言回し・万吉の売る「不孝糖」なる菓子が第1話から登場する。親孝行の「孝行糖」が流行る中で、万吉は「親孝行の何が偉い」と、親不孝を推奨する「不孝糖」を売り歩く。

これこそこのドラマのメッセージなのではないか…と、今になって思い至る。

若者たちよ、大人の犠牲になり続けてはいけない。親たちに、大人たちに怒れ。言いなりにならず、反旗を翻せ。

「不孝糖」という奇妙な小道具は、こういうことを伝えるために用意されたのではないか。

最終回、若者たちが大人の犠牲になっているという現実を突きつけるために、お初と徳兵衛が本当に死んでしまうラストもありうるのだろうか…。
いやいやしかし、「痛快娯楽時代劇」と銘打ったこの作品。お初と徳兵衛が不孝糖売り・万吉の力を得て、痛快に大人たちに一矢報いてくれるんじゃないか…?

…なんて、陳腐な予想は置いといて。

「空気を読む」などという言葉が使われ始めた頃くらいから、周りに合わせ、浮かず目立たず主張しないことを良しとする文化の中で、若者たちはより一層怒らなくなっているのではないかと思う。
万吉の不孝糖を、作者・藤本有紀は、現代の若者たちにこそ食べさせたいと思っているんじゃないかな…などと考えたりしながら。
とりあえず今は、明日の最終回が怖いような、待ち遠しいような気持ちだ。
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